はじめに

大阪電気通信大学工学部建築学科では、市⺠・地域・関係団体・企業と連携して、町家や 空き家等の利活用を図る取り組みを進めてきました。 その一環として、町家に対する意識を高めるとともに、町家が上手に利活用されることで、 魅力的な地域資源になりうることを知っていただくきっかけにするため、歴史ある京町 家の利活用の提案に関するコンペを開催します。
今回のコンペでは、「町家 N 邸」(京都市中京区三条に位置する)を題材に、地域の交流 施設や活動拠点、地域活性化につながる商業施設等、皆さんの自由な利活用アイデア(利活用のコンセプトやゾーニング案など)を募集します。

昨年開催された本コンペティションをパワーアップし、第二回を開催いたします。

詳細については 応募要綱をご確認ください。

There is an English version of the Application Requirements. Please contact us for details.

受賞者発表

シニアコース

最優秀賞

(賞状及び副賞(賞金、図書券))

「町家のウラオモテ、多様ないきづかい」

金子豪太(京都工芸繊維大学大学院) 

近藤誠之介(京都工芸繊維大学大学院)

大町有香子(京都工芸繊維大学)

優秀賞

(2点)

(賞状及び副賞(賞金、図書券))

「町家の解法 町への開放 〜コミュニティのニワで織りなす新しい物語〜」

前田侑香(京都工芸繊維大学)

國分宏純(京都工芸繊維大学)

「業を育む町家」

鈴木侑芙(中部大学)

權田結衣(中部大学)

(順不同)

特別審査員賞

(賞状及び副賞(賞金、図書券))

「むすんで ひらいて」

長岡瑞樹(豊田工業高等専門学校)

ジュニアコース

最優秀賞

(賞状及び副賞(図書券))

「”リアル”を大切にする町家」

鶴橋千聖(静岡県立科学技術高等学校)

優秀賞

(賞状及び副賞(図書券))

「京町家world公民館」

鶴長心羽(田園調布学園高等部)

たくさんの応募ありがとうございました。審査員による厳正なる審査の結果、ジュニアコースで最優秀賞1点、優秀賞1点、及びシニアコースで最優秀賞1点、優秀賞2点、特別審査員賞1点を選出しました。

授与式(予定)ほか詳細については個別連絡となります。

2月29日に授与式が開催されました。

後日、審査委員講評及び各受賞作の詳細を公開予定です。公開しました。

審査員講評

総評

建築学科教授

佐々木厚司

審査員を代表して

2回目の開催となる今年度は、その趣旨にふさわしくジュニアからシニアそれぞれに、町家そのもの、町家とくらし、さらには伝統的都市文化まで、あふれる思いがすべての作品から伝わってくるものがありました。応募数と共に充実したそれら作品の審査にあたってはまずは告知どおり、各先生方にはスキル、計画プログラム、表現デザインの各側面からの評価をいただきましたが、応募のボリュームへの対応から別途特別審査員賞を用意することとなりました。
ジュニア部(高校限定)では、町家テーマを公民館として歴史的な「チョウイエ」伝統を思い起こさせる作品(優秀賞作)、さらには丁寧な描き起こしから、ものづくり工芸的コンセプトをふんだんに散りばめた作品(最優秀賞作)などしっかりイメージされた光景を高校生らしい発想で楽しくかつ、たくみに表現してくれたと言えます。
一方シニア部では、庭をテーマとし、道路との一体化で、パブリック性を引き込む提案(優秀賞作A)、さらには多世代共生からフリースクール機能を食堂を軸に実現し細かなデータ処理にもとづく現状町家を活かした表現のもの(優秀賞作B)など、丁寧で誠実な提案が評価できるものでした。
中でも、最優秀賞作品は4室にも及ぶ多様なギャラリーを内包させつつ、つなぎの領域を操作することで立体回廊を軸にした斬新な改修計画を提案したもので、点群データをフルに活用しそのビジュアルイメージ自体の利用、さらには点群からの立体モデルを対象に最先端の技術フローでの環境シミュレーショ実現など力作となっています。一言加えるとすると、大胆な断面構成そのものの表現とその提案に対する環境的検証がもう少しあれば、との思いが残りましたが、いずれにしろ発想の豊かさは群を抜いて最優秀賞にふさわしいものと言えます。
各審査員の先生方からのコメントも下記のとおり戴いています。

考証的側面から

建築学科教授

矢ヶ崎善太郎

審査員

これからの建築を考えるうえで、京町家にはさまざまな重要な知恵がかくれています。例えば、自然と共生する意識を涵養していること。あるいは、仮設的であることが生活を豊かにしていること。さらには連なると町並みの統一感と同時に住民に「いっしょ」感が生まれること。今回の応募作品はいずれも京町家が教えてくれている建築のヒントに気づいてくれていました。それを現代の生活にどのように活かすか。それが一過性のものではなく生活の文化として位置付けられるものであるかどうか。ここが評価のポイントになったかと思います。目の前にある伝統的な建築をしっかり観察し、そこにこれからの建築のあるべき姿を探し出すことの大切さを知ってもらえたことが、このコンペの最大の成果だといえるでしょう。

建築デザイン

表現側面から

建築学科准教授

北澤誠男

審査員

「建築を手段」として、コミュニケーションが希薄となった様々な社会問題に対する解答を見事に示された。さらに今回は「町家の未来像」「リノベーションのあり方」への新たな提案も多く、このコンペに大きな意義を感じた。

テクニカル

スキル的側面から

【NPO 法⼈】⽣活環境づくり 21/AURAstudio代表

山家一晟

審査員/テクニカルサポータ

提供資料の360度写真や点群データにより、平面的・視覚的利用に限らず、三次元的利用を行った作品が見受けられ、既存建築物を対象としたコンペとしては、今後より多面的に活用した提案に期待できるものとなりました。
最後に、まちと建築をつなぐ共生モデルと言える町家でこそのオリジナルな発想と提案の可能性を改めて感じたコンペだったと思います。
今回の結果を受けて次回開催も予定しており、今後ますます、多くのご参加を期待させていただきたいと思います。(佐々木審査員代表)

下記は今回のコンペティションの記録を残すため、概要及び資料(一部を除く)を公開したままとします。

概要

課題テーマ

「これからの町家利活用」

課題内容

近年、技術の進歩によって様々なことでオンライン化が進んでおり、仕事や会議、授業、さらには友達と遊ぶことまでもオンラインで行われるようになってきています。
しかし、オンライン化が進めば進むほど、人と人とが直接接する機会が減少し、その結果人間関係が希薄化してきてしまっているように感じます。オンライン化が進む今、人々との繋がりをどう築いていくか、地域交流のスタイルはどのようにあるべきでしょうか。
このような時代の潮流を踏まえて、「これからの町家利活用」について京町家の特徴を活かした提案をしてください。

賞・賞金

シニア・ジュニア各コース

●最優秀賞   表彰及び副賞(賞金)
●優秀賞    表彰及び副賞(賞金)
●審査員特別賞 表彰及び副賞(賞金)


※ジュニアコースのみシニアコースに準じた
賞品(各賞相当額の図書券)とする

作品提出・応募締切

ジュニアコース

2023年11月22日(水) 必着

シニアコース

2023年12月13日(水) 必着

コース

本年の募集ではレベルに応じ2つのコースを予定しています。

ジュニアコース

町家の360度画像を使用した提案をしていただきます。

シニアコース

大学〜大学院生、社会人の方を主とした対象とし、町家の3Dスキャンデータを使用した提案をしていただきます。

資料

平面図(コース共通資料)

PDF資料はこちらのリンクより

全周画像(コース共通資料)

内部および外部、それぞれの地点で撮影した全周画像(360度写真)資料になります。

3D点群データ(シニアコース向け特別資料)

データサイズにより、3パターンのデータを用意しています。ミニサイズ、ミドルサイズはフルサイズをもとに点群間隔を調整したものです。重くて開けない場合などに適宜小さいデータを使用してください。

※上記動画は5mm間隔のフルサイズを使用

フルサイズ

仕様:

 5.24 GB

 点群密度 5mm

 pts形式

ミドルサイズ

仕様:

 1.59 GB

 点群密度 10mm

 pts形式

ミニサイズ

仕様:

 77 MB

 点群密度 50mm

 pts形式

※ファイルサイズは表示環境により変わる場合があります。
※データ及び資料の著作権は大阪電気通信大学にあります。本コンペティションについてのみ使用が可能です。

資料提供意図

通常であればコンペティションにより対象に設定された現地を実測しなければ詳細な寸法は得られません。
今回は仮想的な町家を対象とし、点群データを提供することで、詳細な寸法を読み取ることができ、さらに経年により変化した各部の歪みまで読み取ることが可能な様にしています。

点群データにより、立体的なプレゼンテーション資料を作成可能で、モデルデータ化や他の3次元データなどを合わせることで、さらなる表現も可能なようになることから、
本コンペティションではこれらの点群データを資料として提供いたします。

スケジュール

2023/02/1

HP公開

2023/05/12

コンペティション概要公開

2023/07/初旬

コンペティション要綱公開

2023/07/初旬

追加資料:ジュニアコンペ作例公開

2023/07/初旬

追加資料:シニアコンペ作例公開

2023/09/04

応募要項公開

2023/11/22

ジュニアコース提出締切

2023/12/13

シニアコース提出締切

2023/12/末頃

ジュニアコース・シニアコース結果発表

注意事項

※データ及び資料の著作権は大阪電気通信大学にあります。

※データ及び資料は本コンペティションについてのみ使用が可能です。

※他サイトに許可なく資料の転載は行わないでください。

Q&A

Q 提出作品をポートフォリオやSNSに公開可能ですか?提供される点群や360度を含められますか?

A 提出作品の公開は可能です。また提供の資料または使用したものは「©︎ 2023 町家デザインコンペティション2023,大阪電気通信大学」と判読可能なサイズで記載してください。ただし、提供資料の公開はあくまで自作品の公開に限ります。その他の目的で許可なく資料の転載は行わないでください。

お問合せ

お問合せは下記メールアドレスまでメールにてお願いします。